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漫画『ハイポジ』が16歳の俺を再生す【漫画感想】

こんばんは。オガサワラです。

漫画『ハイポジ』を読んだので感想とか書きます。

ざっくりあらすじと概要

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【出典:ハイポジ】

46歳のパッとしないおっさんが死にかけて、気が付いたら高校2年生に戻ってて、青春をやり直す的な話。

人生をやり直すという物語の構造的には転生ものっぽい感じですが、転生先が自分自身の過去だしチート要素もありません。かといって何回もタイムリープを繰り返すようなSF要素もありません。つまりは、おっさんが30年前の青春を追体験するという視点に終始する作品です。

おっさんが青春を追体験するだけ、これだけ聞くと、あんまり面白くはなさそうですが、16歳の時の気持ちを再生できるボタンがあるならきっと押しますよね?この問いにイエスと答える方なら絶対に楽しめます。

私的感想

現代人が30年前の青春を追体験するという視点から逸脱することもないので地味ではありますが、赴きがあります。30年前が正に青春だった世代は懐かしく感じるのでしょうし、そうでない世代からすると、新鮮に感じるのではないでしょうか。

作中に登場する用語が分からない人のために用語集なんかも収録されていたりで、作者や出版社からしても作品のコンセプトは30年前の青春を追体験なのでしょう。まあキャッチコピーが「青春 再生」という時点で明白ですが。

ともあれ、現代のものとは違う青春を追体験でき、さらに、作品を通して自身の16歳の時に感じた青春まで再生してくれる素晴らしい漫画だと思います。

青春を再生す

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【出典:ハイポジ】

漫画『ハイポジ』は約30年ほど前の青春を描いていますが、僕自身の青春は約20年前になります。で、10年違うだけでかなり違うもんだなーと。

例えば『ハイポジ』の世界では音楽を録音し聴くための道具としてカセットテープが出てきますが、10年後にはMDに置き換わります。

その後の変遷も考えると、数年後にはiPodが発売され、今ではストリーミングが主流となりました。

30年の間に高校生の音楽の聴き方がここまで変わっているわけですから時の流れと技術の進歩を感じます。

高校生の頃に彼女と聴いたMDプレイヤーの音はもう2度と聴くことができないのだなあ、なんて考えると寂しくなりますが、『ハイポジ』を読んでいると、10年差はあれど、僕自身の持つ青春が鮮やかに再生されるのを感じます。

きっと、その音は誰しもが持っていてiPodなのかも知れないし、スマホかも知れないし、この作品はそんな青春の音を再生してくれる漫画だと思います。

ちなみに「青春 再生」というコピーのリバースの文字が気になります。逆再生?単に巻き戻しって意味?走馬灯?話の落とし所で読後感がだいぶん変わりそうな作品なので、走馬灯エンドは嫌だなーと個人的には思います。