loglog

『おもしろい!』が発見できる個人ブログを。アニメや漫画の話題が中心です。

漫画『生贄投票』での社会的な死がエグいので現代の個人情報や機微情報の取り扱いについて考えさせられる【漫画感想】

こんばんは。オガサワラです。

漫画『生贄投票』がKindleにて2巻まで無料だったので読んでみました。という訳で感想とか書きたいと思います。

生贄投票(1) (ヤングマガジンコミックス)

生贄投票(1) (ヤングマガジンコミックス)

ざっくりあらすじ

生贄投票ってアプリでクラスの中から1人生贄を投票して、選ばれた生贄には社会的な死が与えられるよー、このアプリはいったいだれがどんな目的で作ったのだろうかって感じの話。

ジャンル的にはデスゲームの亜種って感じですね。

社会的な死と個人情報の取り扱い

社会的な死とはなんでしょうか。社会的な死とはいっても解釈や社会の範囲も様々でコレと答えることが難しいです。

そんな社会的な死が、漫画『生贄投票』のテーマの1つでもあると思うのですが、登場人物達が多種多様な社会的な死を迎えるのかというとそういう訳でもありません。

漫画『生贄投票』がいうところの社会的的な死とは、大方がネット上の情報であったりスマホ内の情報を晒されることにより社会的な死を迎えます。これってとても現代的ですよね。

ここまで情報化が進んだ社会では個人情報やいわゆる機微情報の取り扱いを間違えると、現実的に社会的な死とまではいわずとも実生活に弊害がでるくらいの事態は容易に想像できます。リベンジポルノなんて、その最たる例ですね。あとは、検索エンジンから個人の前科履歴を削除するべきか否かという議論やTSUTAYAの店員の騒動とかも記憶に新しいです。

こういう、いわゆる社会的な死の危険を回避するためにも情報を取り扱うリテラシーは各個人にとって重要ですよね。

ただ実際、不可抗力もあるもんで、ならいっそ個人情報の収集に対して法で規制してしまおうという向きが欧州のGDPRですけれど、個人的にはデメリットの方が大きいように思えたりします。

話は逸れましたが、自分はどの情報を晒されたら社会的に死ぬだろうなんて考えながら漫画『生贄投票』を読むと中々楽しめると思いますが、正直デスゲーム要素はいらないと思います。

ちなみにGDPRやこれからの時代の個人情報の取り扱いについての私見をつらつらと書いた記事もあるので良かったらどうぞ。

www.loglogloglog.com

www.loglogloglog.com


『生贄投票』の感想やら

基本的にあんまり人は死なないのでそこまでグロくはないですが社会的死がエグいです。

あと、この生贄投票を巡る話は、1つのクラス内で起こっている事件なのですが、クラス全員が社会的死に追い込まれるほどの弱味を握られてるとか、全員が全員そんな弱味を持ってるもんかとも思うのですが、じゃないと話が始まらないので、まあしょうがないですよね。とはいえ個人的には、説得力に欠けるというか、こじつけ感は強いと感じました。

リアル路線で攻めたかったという感じが伺えるので、繰り返しますが、わざわざデスゲーム要素を足さず、単純にスクールカーストを描いた作品の方が良かったのではないだろうかというのが率直な感想です。話としてはエグさが相当あるのでそっちのが持ち味が活きそう…。

似た雰囲気の漫画なら『賭けグルイ』とか『校舎のうらには天使が埋められている』のが好みです。

エグい話は嫌いじゃないので、それだけに、なんだか惜しい気はします。

なんて、なんやかし書きましたが2巻以降どうなるのか分からないので、もしかすると化けてるのかも知れません。