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山口貴由さん漫画『シグルイ』を読んで現代にうまれてほんと良かったと思う

どうも。オガサワラです。

今回は山口貴由さん漫画『シグルイ』のことを紹介させてください。

武家社会のおぞましさがこれでもかと描かれている

主人に命じられたのなら腹も切る。

かつて僕達の住んでいるこの国は、確かにそうでした。

武家社会、武家政権、または封建社会などと説明されることもありますが、

封建制とは

上位の君主が、臣下に対して、その領地支配を認め、爵位を与え、臣従(貢納・軍事奉仕等)を義務づける社会制度を指す

出典:Wikipedia

ざっくりとこのような社会の構図であったと。

主人に命じられたのなら腹も切るのは異常な忠誠心によるものではなく、主人の意に反すると生きていくことができない(一族全体が)という仕組みだったのですね。

腹を切れと命じられ喜んで腹を切る人間なんて誰もいません。

自分1人の命で丸く治めることができるのであれば切るしかないというのが実情でしょう。

漫画『シグルイ』は、このような時代を生きた2人の剣士の因縁の物語です。

そして、武家社会のおぞましさがこれでもかと描かれています。

まず、冒頭の駿河城御前試合(史実ではなくフィクションです)。

城主である徳川大納言忠長の御前で行われるこの試合。

徳川大納言忠長は、真剣を用いて試合をしろと無茶苦茶なことを言い出します。

御前試合という名目のただの殺し合いですよね。

そして1試合目に対峙する隻腕の剣士、藤木源之助と盲目跛足の剣士、伊良子清玄が本作の中心人物です。

ここから過去を回想し2人の剣士の因縁が深く深く掘り下げられていきます。

そして、読み進めている内に、この2人はどちらか1人が死ぬまで戦うしかないと、2人の戦いがいかに必然であったのかが理解できます。

とにかく、どう転んでも悲劇しか待っていない残酷な物語なんです。

残酷な物語どんとこい!!という方はぜひぜひご一読ください。


漫画を読んで『シグルイ』をさらに掘り下げたいという方にはこちらを

原作『駿河城御前試合』

漫画『シグルイ』の原作は南條範夫さんの歴史小説『駿河城御前試合』です。

でも、少し変わっている点があって、全12話ある『駿河城御前試合』の第1話目の『無明逆流れ』を徹底的に掘り下げた作品です。

第2話目以降に登場する人物がまったく登場しないかといえばそういうわけではないので、南條範夫さんの歴史小説『駿河城御前試合』を山口貴由さんが独自に解釈したらこうなったという感じなのでしょう。

『シグルイ』の出典は『葉隠』

『葉隠』(はがくれ)とは、江戸時代中期に書かれた武士としての心得がまとめられた書物です。

漫画『シグルイ』のタイトルは、この『葉隠』(はがくれ)の「武士道は死狂ひなり」に由来しており、1巻の冒頭でも『葉隠』が引用されています。

ちなみに作者の山口貴由さんは『葉隠』がお好きなようで、『シグルイ』意外の漫画作品でも『葉隠』はたびたび引用されています。

「武士道は死狂ひなり。

一人の殺害を數十人して仕かぬるもの。」と、

直茂公仰せられ候。

本氣にては大業はならず。

氣違ひになりて死狂ひするまでなり。

又武士道に於て分別出來れば、

はや後るるなり。忠も孝も入らず、

武士道に於ては、死狂ひなり。

この内に忠孝はおのづから籠るべし。

出典:葉隠

まとめ

というわけで今回は漫画『シグルイ』のことを紹介しました。

絵柄とか物語もなかなかグロいので受け付けない人は受け付けないと思うのですが、少しでも多くの人に興味を持って頂けると嬉しいです。

最後まで読んで頂きありがとうございました。