これが近未来のラブストーリー映画『her/世界でひとつの彼女』
こんばんは。オガサワラです。
映画『her/世界でひとつの彼女』を視聴したので所感など。
ネタバレも含みますので気になる方はブラウザバック推奨です。
her/世界でひとつの彼女とは・・・
映画『her/世界でひとつの彼女』はweezerやbjörkのMVを監修したことで有名な監督であるスパイクジョーンズの作品です。
彼の映画作品と言えば『マルコヴィッチの穴』や『かいじゅうたちのいるところ』が有名ですね。
とにかく一風変わった映画をつくるイメージのあるスパイクジョーンズ、今回の『her/世界でひとつの彼女』も一風変わったラブストーリーに仕上がっています。
というのも主人公の中年男性が恋に落ちるのは人間ではなくAIなのです。
人間とAIとのラブストーリーとなるとポイントは
人間とAIとのラブストーリーとなるとポイントは、
「AIである彼女の自我はリアルなのか」
「例えAIが現実に自我を有していたとして人間と分かり合うことができるのか」
という2点であると思います。
映画『her/世界でひとつの彼女』では上記のポイントが上手に描かれていました。
AIである彼女の自我はリアルなのか
映画がはじまり、いざ、AIと恋に落ちて、AIである彼女は人間の思考を学び徐々に人間臭く進化(これが進化と呼べるのかは難しい問題ですが)していきます。
しかし、人間の思考に近づくにつれて、AIである彼女は自分が主人公に抱いている感情はリアルなのであろうか…、プログラミング通りの情報処理の過程でしかないのではないだろうか…と苦悩するようになります。
そもそも人間やAIに関係なく意識や感情というもの自体が情報処理のプロセスで生まれるものでしかない可能性もあるのですが…、『her/世界でひとつの彼女』での落しどころは意識の正体、いわゆるハードプロブレムに言及することなく実にシンプルです。
「恋に理由なんてない」
なんたる精神論、そして力わざ。
しかしてAIがこの結論に辿り着いたということ自体が、AIである彼女に意識がリアルであるという確固たる証なのではないだろうか…と妙に納得させられました。
AIと人間と分かり合うことができるのか
徐々に人間臭くなっていくAIである彼女、この彼女の日々の変化は個人的にはちょっとしたホラーでした。
さらに人間とAIの価値観の違いも大胆に描かれていて、悩み落ち込む主人公をみて、ああやっぱりAIとは究極的には分かり合えない存在なのかな~と主人公に感情移入できます。
しかし、そんなハードルも「恋に理由なんてない」という「無理せずに自分らしく愛せば良い」というゴリゴリの精神論で見事にハードルをクリアしていく人間とAIのカップル…、お、これはこのままハッピーエンドなのか!?
と思いきや実は違うんですね~。
この映画から感じたメッセージ性は人間とAIの絶対的な距離でした。
埋めることのできない距離であり溝です。
人によって大分好みが分かれるとは思うのですが…、個人的に『her/世界でひとつの彼女』の落しどころ、気に入っています。
長々と詳細を説明してしまってもつまらないので、気になる方はぜひともご覧あれ。
Amazonプライム会員なら無料で視聴可能です。
まとめ
余談になりますが、『her/世界でひとつの彼女』吹き替え版の評価が高かったので吹き替え版を視聴してみたのですが…、素晴らしかったですね!!
AIである彼女役が林原めぐみさんでAIっぽい無機質な語りから感情豊かな声まで素晴らしい声の演技でした。
しかし、近未来ではAIとの恋もあり得るのかもしれないな~と考え深い内容の映画でした。
最後まで読んで頂きありがとうございます。