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アニメーションなのにドキュメンタリー映画「戦場でワルツを」

こんばんは。オガサワラです。

アニメーションなのにドキュメンタリーという一風変わった映画があるのをご存じでしょうか?

「戦場でワルツを」、レバノン内戦を体験した監督、アリ・フォルマンさんの記憶を元に作られた映画です。


2006年冬、友人のボアズがアリに対して、毎夜みる悪夢に悩まされていると打ち明けた。ボアズは、それがレバノン侵攻の後遺症だという。しかし、アリの記憶からは、レバノンでの出来事が抜け落ちていた。記憶から失われた過去を取り戻すために、アリは世界中に散らばる戦友たちに会いにいく。

パレスチナ難民大虐殺をアニメーションで描く?

1982年にレバノンで起こったパレスチナ難民大虐殺。

僕達、現代を生きる日本人にとっては、かつて遠くの異国で起こった悲劇のひとつであり、

それこそ、

まるでアニメーションのようにリアリティのない話です。

この映画は、そんなただの物語をみている、という心理的防壁で守られている視聴者にがつんと現実を叩きつけるだけの破壊力がある映画です。

現実を描くことに限界があるのならば…

アニメーションで現実を描くことって良くも悪くも限界があると思うんです。

絵で表現するよりも実写とか…、今なら実写と見間違うくらいのCGだったりとか、そっちのが映像表現としてはリアルですよね。

でも、現実をアニメーションで描くことに限界があるのならば、現実を直視することができない者の視点を表現できるのではないか…。

という着想を、この映画の映像表現からは感じとることができて…、こんな手法があったのかと、僕は戦慄しました。

ぜひ、多くの人に体験して貰いたいです。

まとめ

この映画との出会いは「虐殺器官」という小説にハマっていた時期のことなのですが。

主人公の敵が言語学者で、「虐殺器官」という小説のタイトル通り"虐殺"にとても縁のある人物で…、

まあそんなこんなで虐殺の歴史について興味を持っていたことがあり、その時に「戦場でワルツを」という映画を知りました。

で、いざ、映画をみてみると幻想的な映像とは裏腹に、どぎついものでした。

戦争のことを描いているドキュメンタリー作品なのですから当然といえば当然ですが…、このギャップにかなり衝撃を受けたんです。

とにかく、かなり濃い作品。

ひとりでも多くの人にみて貰いたいおすすめ映画です。